終末期医療での看護師の役目は、患者の苦痛を取り除くことです。
食事がとれなくなった患者のため、胃ろうや経管栄養などの処置を行ったり、寝たきりの人の褥瘡ケアなどが主な仕事になります。
また、医師からの指示があれば、酸素吸入や点滴の処置なども行い、患者が残された時間を穏やかに過ごせるように尽力しなければなりません。

それから、ターミナルケアを行うときには、看護師は患者の身体的なケアだけでなく、精神的なケアも必要です。
ただし、価値観や死生観は患者によって異なるため、一人一人に合った心のケアをしなければなりません。
死に対する強い不安感や恐怖、あるいは残していく家族に対しての心配など、患者の心は不安定になるので、些細なことにも耳を傾け、そばに寄り添って心の支えになりましょう。

ちなみに、ターミナルケアでは、患者だけでなく、家族へのケアも重要です。
家族を気遣い、言いたいことが言えない患者に対しては、家族と患者の橋渡し的な存在にならなければなりませんし、その逆の場合も同様です。
終末医療では、患者の家族も辛い思いをすることになるので、相談にのったり、健康を損なわないようなアドバイスを行いましょう。

そして、患者が最後を迎えられたときには、エンゼルケアを行い、家族に引き渡さなければなりません。
そのような場合、看護師は虚しさで心が一杯になってしまうかもしれませんが、ネガティブな感情を引きずらないようにしてください。
死は避けられないものなので、現実を受け止める強さを持ちましょう。